地味に甘い君
第8章 自業自得の空回り
赤羽は俺を避けるように管理人室を出ていった
「――――…」
――――チク、チク…
避けられた?
――――だよな…俺だって似たようなことをしたんだ…傷つく権利はない…
「赤羽――――…」
赤羽の建てた壁が見えるみたいだ――――…
俺は、グッと体に力を入れてそこに立つのがやっとだった…
自業自得…
その言葉が頭をよぎった
――――――――…
「最悪だ…」
あれからしばらく…俺はモヤモヤとチクチクの間で苦しんでいる…
しかも、最悪なことに…大好きな麦野教授の講義だったのに…
全く頭に入ってこなかった――――…
論文も煮詰まったまま…俺の手はピタリと止まったまま…動かない
――――…管理人室に行きたくない…
と、さえ思いながら…赤羽のマンションに行くが…
赤羽とは出会えていない…
避けられるって…かなり――――落ち込む…