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秘密の楽園 / Produced by ぴの

第6章 秘密の楽園 5

◆c


かずの上に跨ったまま無我夢中で絡め合う舌。


「ぅんっ…まーく…」

「ん…はぁっ…」


キスの合間に漏れ出るその甘い声に、体の奥から沸々と湧き上がってくる熱を自覚しつつ。


いつしか圧し掛かるように体重を掛けてしまっていたのに気付いて慌てて体を離すと。


ぎゅっと閉じられていた瞼がふるふると震えながら開き、現れた薄茶色の瞳がじんわり潤んでいて。


「ね、まーくん…へん…」

「……ん?」

「ここ…変なの…」


言い淀んだ口元が小さく動き、見上げていた瞳は恥ずかしそうに伏せられた。


変?って、あ…


体を離したことで出来た隙間。


丁度俺が跨っているすぐ真下に感じる熱。


心地悪そうに太腿を捩るその仕草に、一気に欲情を掻き立てられる。


「…かず、変になっちゃった?」

「ん…だってまーくんが…」

「うん?俺?」

「まーくんが…まーくんの、せいだもん…」


きゅっと下唇を噛んだかと思ったら、縋りつくように首に腕を回してきて。


「…どうしたらいいの?」


"教えて…"ってか細い声でぎゅっとしがみ付かれたら、もう理性なんてすぐにでも飛んでいってしまいそう。


幸いにも今日は父ちゃんも母ちゃんも居ない。


それに、今まで気付かない内に掛けていたブレーキも掛ける必要が無くなった今。


こうして直に感じる愛おしい存在を前に、何を躊躇うことがあるんだって話で。


ぎゅうっとしがみ付いてくるかずの火照った体にごくりと喉が鳴る。


さっきまで自暴自棄になっていたかずに散々扱われた俺自身も、知らない間にまた質量を取り戻している。


それどころか、中途半端に育てられて燻ぶったままの熱が再燃したかのよう。


そっとかずの頭を撫でれば回していた腕の力が緩まり。


至近距離にある瞳は相変わらずゆらゆらと揺れている。


けれどどこか期待に満ちたような熱を帯びているようにも感じて。


「ごめん…俺のせいだよね?」

「…ぇ」

「でもね、俺も…かずのせいでこんなになっちゃった」

「ぁっ…」


硬く成した俺のをぐっとかずの下腹部に押し当てると、小さく声を発したその口元を恥ずかしそうに覆って俺を見上げた。

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