僕らのらんど
第5章 美女と兎
炎は地元消防団の人たちによって消された。
建物はほぼ残っておらず、車の残骸が少し散らばっているだけだった。
念のため、フレンドリストからヒロキさんにかけてみるも『戦闘不能のため出られません』とアナウンスが流れるだけだった。
トシヤの時と同じだ。
死んだところを見たわけじゃない。
もしかして…と希望を抱きたかったが、頭の片隅ではもうこの世界にいないのだと諦めていた。
僕たちは近くの宿で三日過ごした。
そこは前にシモムラ付近で助けたおばちゃんが経営している宿だったらしく、色々世話になった。
「あんたたち、そんなボロボロになって…あの廃墟で何してたんだい?」
なんと呉葉さんの屋敷は十年前から廃墟だったそうで、僕たちは人間に化けた巨大蜘蛛たちにまんまと幻覚を見せられていたのだった。
しかし寝具などはシモムラから盗んできていたらしい。シモムラの防犯カメラに写っていた。
食事は…考えるのはやめておこう。
そして肝心の『見えない壁』は、僕たちがクエストを攻略したことで消えていた。
大事になるかと思ったが、おばちゃんに聞いても「見えない壁? それはなんだい?」と言われ、人々の記憶から抹消されているようだった。
「都合のいい世界ね。一体私たちに何をさせたいのかしら」
まあやさんの言うとおりだ。
いまだにこの世界について説明がない。
もしかしたらクエストをクリアしたら、アプリを作った奴らからなにかしらアクションがあるのかと思ったが、クリアした報酬を貰えただけだった。
建物はほぼ残っておらず、車の残骸が少し散らばっているだけだった。
念のため、フレンドリストからヒロキさんにかけてみるも『戦闘不能のため出られません』とアナウンスが流れるだけだった。
トシヤの時と同じだ。
死んだところを見たわけじゃない。
もしかして…と希望を抱きたかったが、頭の片隅ではもうこの世界にいないのだと諦めていた。
僕たちは近くの宿で三日過ごした。
そこは前にシモムラ付近で助けたおばちゃんが経営している宿だったらしく、色々世話になった。
「あんたたち、そんなボロボロになって…あの廃墟で何してたんだい?」
なんと呉葉さんの屋敷は十年前から廃墟だったそうで、僕たちは人間に化けた巨大蜘蛛たちにまんまと幻覚を見せられていたのだった。
しかし寝具などはシモムラから盗んできていたらしい。シモムラの防犯カメラに写っていた。
食事は…考えるのはやめておこう。
そして肝心の『見えない壁』は、僕たちがクエストを攻略したことで消えていた。
大事になるかと思ったが、おばちゃんに聞いても「見えない壁? それはなんだい?」と言われ、人々の記憶から抹消されているようだった。
「都合のいい世界ね。一体私たちに何をさせたいのかしら」
まあやさんの言うとおりだ。
いまだにこの世界について説明がない。
もしかしたらクエストをクリアしたら、アプリを作った奴らからなにかしらアクションがあるのかと思ったが、クリアした報酬を貰えただけだった。