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僕らのらんど

第7章 真実

「でかっ…」

オレたちが躊躇している間に、クロさんが両手に短剣を持ってレッドトードに素早く斬りかかる。
レッドトードは数回攻撃を受けると、光の粒となって弾け飛んだ。

「…ゲームモードにして良かったかもな。リアルだったら肉片が飛び散って最悪なことになってたかも」

オレがそう呟くと、まり先生は顔をしかめた。

「もう、ひなたくん! 気持ち悪いこと言わないでよね!」

まり先生は頬を膨らませて、薙刀を持ち構える。
オレはフッと笑い、こっちに背を向けているレッドトードに狙いをつけた。

「行くぞ!」

地面を蹴って走り出すと、身が軽く感じられた。
リアルモードの時よりも速く動ける。
刀を振り上げて二、三度攻撃すると、レッドトードはあっけなく爆散した。

「すごい、ひなたくん! この調子でいけば…」

「危ない!!」

上からの気配を感じ、まり先生の腕を引き寄せると、間一髪レッドトードからのジャンプ攻撃から免れた。

《グエッ グエッ》

レッドトードは地面に着地すると、威嚇する鳴き声を出す。

「まさか飛べるの!?」

「…カエルだからな」

しかもよく見れば、ジャンプ攻撃してきたレッドトードの腹が膨らんでいる。

「逃げるぞ!!」

オレとまり先生はレッドトードがいない方向へと走り出した。

「おーおー、始まっとるなぁ! 今日もようさんおるわ!」

「あっ…」

ちょうど店から出てきた昭玄さんと目が合う。

「昭玄さん、逃げてください!」

「逃げる? わいを誰やと思ってんねん! こんなごちそう目の前にして逃げるわけないやろ!」

そう言うと、昭玄さんは背中から大剣を引き抜いた。

「えっ…!?」

「うおりゃあああああっ!!」

昭玄さんは力任せに大剣を横に振る。
それは見事膨らみかけていたレッドトードの腹を引き裂き、一撃で倒してしまった。

「レッドトードの肉はうまいんやでえ! あとでクロはんに料理してもらって食わせたるさかい、楽しみにしとき!」

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