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僕らのらんど

第7章 真実

その時、死神がギギギッと鈍い音を立ててこっちに振り返るのが見えた。

「…まずい、逃げろっ…やんすさん!!」

「ふぇ?」

死神の狙いがやんすさんに変わる。
それは一瞬の出来事で、やんすさんはオレが助ける間もなく、死神に背中を斬られてしまった。

「────やんすさんっ!!」

「ぐはっ…」

死神は再度やんすさんを斬りつけようとする。

「……やめろ………やめろぉぉおおお!!」

オレは無我夢中で死神に斬りかかった。

キィィィィンッ!

刀が弾け飛ぶ。
そして死神の剣がオレの腹に突き刺さった。

「…っ!!」

視界が赤く染まる。
オレのHPバーがすごい勢いで減っていく。

──オレ、刺されたんだよな?

「かはっ…」

痛みを感じないのに、喉の奥から血が込み上げてくる。
だんだん視界が暗くなっていく。
体が動かなくなっていく。

「……ヒーリング!!」

意識が遠退いていくなかで、一瞬体が温かいものに包まれる感じがした。誰かの叫び声が聞こえたような気がしたけど、もうオレはすでに意識を手放していた。

──これでオレはログアウトできる。
死神に殺られて契約違反になるだろうが、みんなが殺られずに済めばそれでいい…。

やんすさんはどうなったのかな。
とりあえずリアルで目覚めたら、運営に色々問い詰めないと……。

『……ちゃん……』

『……おにぃ……ちゃん……』

どこからか、か細い少女の声がする。

『……けて……お兄ちゃん……』

少女の声は震えている。
──もしかして泣いているのか?

その時真っ暗な視界にぼんやりと少女の姿が見えた。
少女はまだ幼く、赤いランドセルを背負っている。

『……お兄ちゃん……ひなたお兄ちゃんっ……』

俯いていた少女が顔をあげた。

「!!」

『菜々をっ…助けて────!!』




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