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僕らのらんど

第8章 集結

「絶対に戻るから、待っててほしい」

「!」

「だから、死なないで」

「…ひなたくっ…」

オレがそう伝えると、まり先生は涙を流しながら何度も頷いた。

まり先生から離れると、

「ほんまにええんか? キスしなくても」

ニヤニヤしている虎生にからかわれた。
オレは何も答えずスルーする。

でもまり先生に対して仲間以上の気持ちがあることは自覚できた。できればもう一度、まり先生の温もりを感じたかった…。

「ひなたしゃん、絶対に、絶対に、帰って来てくださいね!!」

「風早! 絶対に死ぬんじゃないぞ!」

「ひなたっちが帰って来たら、みんなでカラオケパーティーやるんだからね!」

みんなが最後までオレを見送ってくれる。
オレはみんなの無事を祈った。

「ほなら、行くで!! 転送!!」

虎生が時空魔法を発動すると、目の前が真っ白になった。そしてリタイヤ組のオレたちの前に突如、巨大な影が現れた。

その姿は三つの頭を持ったドラゴンだった。
ドラゴンは上空へ飛ぶと、口から炎を吐く。

「───っ!!」

オレたちは抵抗もせず、ただ死を待った。

空から降り注いでくる火球はまるで現実での出来事を再現してるようで、オレは現実に戻るのが少し怖くなった。

















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