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僕らのらんど

第10章 最終決戦

「さすが、ナナシ! じゃあサイクロプスをこっちに誘導するよ!」

「ちょっと待って! 光はどうするの? 太陽は雲に隠れてるわよ!」

「あっ…」

みんなどんよりと曇った空を見上げる。

「それなら僕がホーリーシールドを鏡に当てるよ」

僕は提案した。
もう方法はそれしかないと思った。

「わかった! じゃあアキラはタイミングよくホーリーシールドを打って!」

「鏡は誰が持ちます?」

ナナシくんが言うと、月影が手をあげた。

「俺に任せてください」

僕と月影は顔を見合わせた。

「月影、頼むな」

「ええ、アキラさんも思いっきり光をぶつけてくださいね」

「…目、大丈夫か?」

「大丈夫です。必ずサイクロプスの目に当ててみせます!」

失敗したら、僕も月影もサイクロプスに吹っ飛ばされるか潰される。
だから絶対に成功させないと……!

「じゃあ、みんな! ド派手にぶちかましてサイクロプスを誘導してね!」

アカツキちゃんがGOサインを出すと、みんなサイクロプスに近づきすぎないように一斉攻撃を仕掛けた。

サイクロプスは蚊でも払うかのように手を振り回し、のっそりのっそりとこっちに歩いてくる。

「よし、そのままこっちに来い!」

強気な言葉とは裏腹に、僕の心臓は激しく波打った。

その時、突如地面が激しく揺れた。

「きゃああああっ!!」

まあやさんたちの悲鳴が聞こえる。

「!!」

立っていられない揺れで、僕たちはしゃがみこんだ。しかもピシピシと地面に亀裂が入り、地割れが起きる。

しかし地割れという落とし穴で、サイクロプスが足元をすくわれようとしていた。
このチャンスを逃がすわけにはいかない。

「月影、行くぞ! ホーリーシールド!!」

足元がぐらつく中、僕は光魔法を等身大鏡におもいっきりぶつけた。光は見事反射して、サイクロプスの目にぶち当たる。

《ボオオオオオオッ!!》

サイクロプスは目を押さえ暴れだした。
そして棍棒を闇雲に振り回す。

「!!」

僕たちの計画は失敗した。
気づいた時には、僕たちの体は一瞬で吹っ飛ばされていた。


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