僕らのらんど
第11章 願い、そして…
「菜々~学校遅れるわよ~」
「はぁいっ、今行くからまって~」
9歳になった菜々は赤いランドセルを背負ったまま、オレのそばから離れないでいた。
「ほら、菜々。もう行かないと遅刻するぞ」
オレは菜々の頭をポンと撫でた。
「だって、ひなたお兄ちゃん、今日から一週間旅行でいないんだもん! 菜々寂しいよぉ!」
「ごめんな。大事な用があるから」
「まりさんと旅行するのが大事な用なの?」
「ん~…お土産買ってくるから」
オレはそう言うと、膨れっ面をしている菜々のランドセルを無理矢理押して玄関に向かわせた。
「ひなたお兄ちゃん、絶対毎日電話してね!
菜々待ってるから!」
「ああ、いってらっしゃい」
菜々を送り届けると、オレは旅行用バックを持って家を出た。
あれから2年、色々あったけどオレたちは無事に生還することができた。
オレがログアウトした時、ラグナロクランドは軍に囲まれていた。目覚めたオレはすぐに『苑さん』という人を探し、ヘリコプターで大阪の病院まで連れていってもらった。
菜々を連れていこうかと思ったけど、菜々の呼吸が安定しなくてオレはそのまま病院に待機することになった。
外は小さな隕石の欠片が燃えて火球となってあちこちに落ちてきていた。
消防車の音が鳴り止まなかったのを覚えてる。
隕石がもう間近に迫ってきた時は死を覚悟した。
だけど、オレたちはこうして生きている。
正直あまり何が起きたか覚えてないけど、一瞬見えたのは青い光が空全体を包んでいたってこと。
プレイヤーのみんながオレたちの町を救ってくれたんだ。
「おはよう、ひなたくん」
駅に着くと、髪の長い女性がオレに手を振ってきた。
「おはよ、まり」
オレがそう言うと、まりは恥ずかしそうにうつむいた。
「なんだよ、まだ慣れないのかよ」
「だって、ずっと『まり先生』だったじゃない? いきなり呼び捨てだと恥ずかしいっ……」
「いや、もうあれから2年経ってるし。それにオレはもう学生じゃないんだからさ」
「そうだけど…。でもこうやって会えるのは一年ぶりだね」
「はぁいっ、今行くからまって~」
9歳になった菜々は赤いランドセルを背負ったまま、オレのそばから離れないでいた。
「ほら、菜々。もう行かないと遅刻するぞ」
オレは菜々の頭をポンと撫でた。
「だって、ひなたお兄ちゃん、今日から一週間旅行でいないんだもん! 菜々寂しいよぉ!」
「ごめんな。大事な用があるから」
「まりさんと旅行するのが大事な用なの?」
「ん~…お土産買ってくるから」
オレはそう言うと、膨れっ面をしている菜々のランドセルを無理矢理押して玄関に向かわせた。
「ひなたお兄ちゃん、絶対毎日電話してね!
菜々待ってるから!」
「ああ、いってらっしゃい」
菜々を送り届けると、オレは旅行用バックを持って家を出た。
あれから2年、色々あったけどオレたちは無事に生還することができた。
オレがログアウトした時、ラグナロクランドは軍に囲まれていた。目覚めたオレはすぐに『苑さん』という人を探し、ヘリコプターで大阪の病院まで連れていってもらった。
菜々を連れていこうかと思ったけど、菜々の呼吸が安定しなくてオレはそのまま病院に待機することになった。
外は小さな隕石の欠片が燃えて火球となってあちこちに落ちてきていた。
消防車の音が鳴り止まなかったのを覚えてる。
隕石がもう間近に迫ってきた時は死を覚悟した。
だけど、オレたちはこうして生きている。
正直あまり何が起きたか覚えてないけど、一瞬見えたのは青い光が空全体を包んでいたってこと。
プレイヤーのみんながオレたちの町を救ってくれたんだ。
「おはよう、ひなたくん」
駅に着くと、髪の長い女性がオレに手を振ってきた。
「おはよ、まり」
オレがそう言うと、まりは恥ずかしそうにうつむいた。
「なんだよ、まだ慣れないのかよ」
「だって、ずっと『まり先生』だったじゃない? いきなり呼び捨てだと恥ずかしいっ……」
「いや、もうあれから2年経ってるし。それにオレはもう学生じゃないんだからさ」
「そうだけど…。でもこうやって会えるのは一年ぶりだね」