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僕らのらんど

第3章 眠れぬ夜にゴブリン襲来

「まっ…」

止める間もなく、月影は気絶しているゴブリンの首の骨を折った。
鈍い音がして、まあやさんは顔を背ける。

「…無駄な殺生はしないんじゃなかったのかよ」

「ええ…俺たちの世界では」

そう言うと、月影はゴブリンの死骸に両手を合わせた。

「でもこの世界は違う、殺らなければ殺られる。情けは無用なんです」

「……」

確かに一匹逃したせいで、僕たちはゴブリンの襲撃にあってしまった。月影やそらじいさんがいなかったら、とっくに死んでいただろう。

「それに俺は…」

月影はゆっくり立つと、僕に振り返った。

「あなたの親友の仇を討ちたかった」

「!」

「そんなことをして、彼は生き返りはしないでしょうが…」

「それなら僕が自分で…」

「だめです。僧侶は生き物を殺めてはいけないんですよ」

月影の言葉にハッとした。
そうだった、リアルもゲームも聖職者の殺生は禁じられている。


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