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僕らのらんど

第3章 眠れぬ夜にゴブリン襲来

「あの…とりあえず夜が明けたら町へ行きませんか? 他がどうなっているのか確かめたいんです」

「そうだな、僕もそうした方がいいと思う」

僕は月影の意見に同意した。
もしかしたら僕たち以外にもプレイヤーがいるかもしれない。

「…私は家に帰りたいわ。家族と連絡が取れないから心配してると思うの」

まあやさんは伏せ目がちに言った。

「そうですね、スマホではアプリ以外の機能が使えませんし、ご家族も心配されてますよね。それなら俺がまあやさんのご自宅まで送ります」

「ありがとう、月影くん」

月影の気遣いにまあやさんは安堵の笑みをもらした。

「家族…」

そんなこと全く考えもしなかった。
というかなぜか家族の顔が思い出せない。
この世界に来る前の記憶もあやふやだし、僕だけ記憶障害か?

「アキラさんも家に帰られますか?」

「僕はいい。僕はトシヤがあれからどうなったのか確認しにいく」

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