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「どうしたの、まあやさん」

「…さっき、パンダに襲われそうになったとき、死ぬつもりだったでしょ？」

「！」

まあやさんは気づいていたらしい。
かなり不機嫌な表情をしている。

「相手が自分よりも強くてどうにもならなくて、私も仲間を助けることができなくて悔しくて…」

「まあやさん…」

「でも、それでも、死んでほしくないの。諦めてほしくないの」

「……」

まあやさんは目に涙を貯めていた。

「たとえこの世界が仮想世界だったとしても…」

「！」

仮想世界という言葉は、さっきアカツキちゃんが言っていた言葉だ。
だからまあやさんが例えで使ってもおかしくないはずなのに、なぜかまあやさんが何かを知っている風に聞こえるのはなぜだろう。

「最後まで諦めないって約束してくれる？」

まあやさんはいつもより真剣な表情で僕を見た。

「…うん、わかった」

動揺しながらも、僕は頷いた。
そこまで僕のことを…なんて思ったけど、たぶんそれは違うだろう。
仲間として心配してるんだ、たぶん。