ドSメイドは基本普通の子
第14章 縄師の願望!?
柚さんの視線には一心不乱にポリッシュや素材を買い漁る…一人の男性が見えた…
男性は黒で統一された服装で、髪は無造作…と言えばいい方だが…前髪が目にかかっていて…ボサーっと言った表現が似合うヒョロっとした人だった。
「彼、あんな身なりたけど…一応凄い人なのよ?なんかの…世界コンテストで優勝とかしてるみたいよ?――――でも、表に出たがらないから、あんまり有名ではないわね」
――――うわ…本当に…そう言うオーラないなぁ…
ザ・オタク…って感じのその人は柚さんに似合うポリッシュを何個か持ってきては肌に合わせたり目の色に合わせたりして…何種類もある“赤”を吟味していた。
「にしても、亀甲縛りって描くの大変みたいなのよ…で、この後“縄師”に会いに行くけど――――…美羽ちゃんも行く?」
――――“縄師”?
聞いたことのない単語にちょっと興味が湧く…が、コンテスト入賞者のネイル勉強を間近で見れる事なんて滅多にない機会だ!私は2つ返事でうなずいた!