ドSメイドは基本普通の子
第27章 【最終章】ドSメイドは基本普通の子
「いや――――…戻らないよ…あそこは柚の城ですよ?もう、私の居場所はないですよ。それに、この背中じゃ――――…客が引きます」
そう――――…私の背中には…尾長に切りつけられた時の傷跡がクッキリ残っていた。
和歌子の事が心配でその時は痛くなかったが――――…結構深く切りつけられていたらしく…
痕が残ってしまった…
綺麗だと評判だった私の体は…もう、そこにはなかった。
「―――そんなに酷かったのか?傷跡…」
「和歌子さんほどでは…ないですよ…きっと」
転院する際に…先生に和歌子の胸の傷がどうなっているか聞いたら…
悲しいかな…痕は残ると…言っていた…
私を庇うために追った傷――――…それを考えると…心臓と共に背中の傷が痛くなる。