
ドSメイドは基本普通の子
第27章 【最終章】ドSメイドは基本普通の子
「――――お母さん…私の鞄…何処にしまったの?」
リビングにいた母に自分の鞄の事を聞いてみる。
「鞄――――?これじゃなくて?」
と、退院から使っている今の鞄を差し出される。
「あ――――…これじゃないやつ…前に使っていた…やつ…なんだけど…」
そう言うと、母の顔に影が落ちた。
「前の――――…鞄?」
「そう、携帯…見たいなって…思って…」
携帯と聞いて…母の表情はもっと暗くなる。
「――――鞄…とか、携帯とか――――…警察が持っていったのよ…証拠品って言って…
でも、すぐに戻ってきたけど――――…」
「で、その携帯は?」
「壊れてて――――…電源すら入らなかったの…」
