
ドSメイドは基本普通の子
第27章 【最終章】ドSメイドは基本普通の子
「はい――――…ただ…
大切な人を――――…傷つけてしまった…それだけが気がかりです。
彼の体に…傷がついていたらどうしよう――――…
彼の心に傷がついていたらどうしよう――――…
彼の人生に傷が着いたらどうしよう――――…
彼の…彼の――――…」
私は溢れる涙を拭いながら…店長の事を考えた――――…
かばって…背中に傷を受けた瞬間を…私は覚えている…
あの後――――…店長はどうなったの?
その事だけが気がかりで……
「――――そうだったのね…その人とは連絡は取れていないの?」
「――――はい…両親が…連絡を取らせたくないみたいで…
口に出さなくても…雰囲気で分かります――――…」
先生は少し困った顔をした。
「そうなのよね――――…多分…その、彼が和歌子さんを助けた人なんだろうけど…その人が原因で…襲われたって…ご両親は思うのかもしれないわね…」
「私より…両親のカウンセリングをしてください。
犯された本人より…ダメージ大きそうです…」
「そんなこと言わないの…」
