友達からのはじまり
第1章 男友達の関係
大学のカフェで、黒瀬と講義の後で、いつものように一緒にランチする。
「あのさぁ、女の子って、エッチが上手いとか下手とか分かるもんなの?」
食事を食べ終えて、コーヒーを飲むあたしは、黒瀬の言葉に、
思わず盛大にムセてしまった。
「な…なになになに…急に……っ…!」
黒瀬 和也は大学で知り合った、男友達。
入学した時から、目立つ存在。
講義の授業で一緒になる時間も多く、共通の友達もいるし、気付いたらいつも一緒にいる。
見た目は美形、綺麗な顔立ちでスラリと背が高くて、目立つ存在だから
モテるくせに。
……何で、いまだに処女である、あたしにそんなこと聞くの?
「……さ、さあ?気持ちいいとか、気持ち悪い…とか?」
精一杯の知識を振り絞り、知ったようなことを言う。
「気持ち悪いってなに?嫌いなんじゃん?」
「…うっ、そうかもね?……なんでそんな話になった?」
そうよ、そんな話分からないっつうの。
「…やっ、さっきの授業で、寺園さんがそんな話を友達としてたのを聞いてさ?」
……寺園さん?
あたしと同じように、授業で一緒になることが多い人だ。
見た目美人で誰とでも仲良く話する、どちらかと言うと、派手なタイプの人だ。
さっきの授業では林田さんも一緒にいた。
友達の林田さんの名前を出さずに、寺園さんの名前がピンポイントで出たということは。
黒瀬は寺園さんが、好きだということ?
……そういうこと?
……がぁ~ん。
ショックを受けて、俯いてしまう。
友達として、黒瀬とは何でも話出来る、唯一の男友達だけど、
女の子として意識されないまま、他の女の子の相談されるとか、
最悪な失恋パターンだ。
「ふ、ふう~ん、寺園さんの話かぁ?寺園さんの話が気になるってことは、黒瀬は寺園さんが好きなの?」
動揺してるのを、悟られないように、なるべく自然に聞いてみる。
「……俺が?はあっ?ないない、俺の好みは派手なタイプじゃないから」
……即座にあっさり否定されて、ほっと胸を撫で下ろした。
「じゃあ、純粋に会話の内容が気になっただけ?」
「だからそう言ってるだろ?やっぱり上手い方がいいわけ?」
「ま、まぁ、そりゃそうに越したことは、ないだろうけど」
「……気持ちいいのがいいんだ?」