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死神森の鴉は夜明けを待つ

第1章 鴉ーしょうねんー

深海のように深く光も届かない夜色の底。

まるで咎人を閉じこめる檻のようだ。凍てつくほどの冷たさ。必死に光を追い求め、探すけれども、結局どこにもたどり着けない。


必死になれば必死になるほど、遠ざかっていく。


もう、あきらめているはずなのに。

受け入れているはずなのに。


ーーねぇ


……?


そこは昏くて寒いでしょう。ねぇ、鴉さん。私と共にいきましょう?


ーー連れていってあげる



それは優しい光に包まれたやわらかな声だった。聴いたこともない澄んだ声。歌を紡げば、誰もが涙するような。


不思議な声に導かれて、瞳を開ける。少しだけこわいけど。



もしこれが幻想だったら?夢を、信じていいのか。考えればきりがない。だから、起きて確かめようと思う。




少年の瞳に映ったのはーー……




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