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死神森の鴉は夜明けを待つ

第1章 鴉ーしょうねんー

今、気がついた。

香草の香りがするブランケットがかけられていることに。


体を起こし、部屋の中を探す。


するとどうだろう。キッチンから鼻歌が聞こえる。何かをトントンとリズムよく刻む音、グツグツと煮込む音、香草の、香り。


「あ、起きた?もうすぐできるから待っててね」


キッチンに足を踏み入れればーー淡いミルクティー色の髪を踊らせ、少女が楽しげに料理をしているという、不思議な光景。


「……お前は……」


夢の中のーーそう聞くわけにもいかないでいたら、少女の方が先に答える。

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