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僕ら× 2nd.

第5章 別格彼氏 --Thk

友人の紹介で、始まりもメール。
彼からのメールには、ハートが並んで愛を囁く。
私はメールの彼を好きになったのかもしれない。

本物の彼とは合わせられない。
てか、こんな男と合う人いるの?

デートにも。
自分から誘うくせに、なぁんにもリードできない。
「俺、引っ越してきたとこだから、土地勘ないんだ」ってもう開き直ってる。

私が調べて、チケットも私が手配する。
彼が自ら行き先を指定するのは、いつも同じラブホのみ。

私が連れて行った料理店や劇場も「量多過ぎて飽きた」とか「ディスクレンタルでよかった」と、他にも床に手膝をつきたくなる文言が並ぶ。

こんな男、いるの?
そのイケてなさぶりに、変な好奇心。

こんなダメ男と付き合えるのは、私しかいないんじゃない?
私が見放したら、一生彼女できないんじゃない?
そうなると、可愛いとさえ思ってしまう。
そして、信じた。

メールが彼の本心なんだって。
破壊的に照れ屋なんだって…。

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