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僕ら× 2nd.

第5章 別格彼氏 --Thk

誕生日から後、彼と会う日はプレゼントの何かを身につけて。
次は靴、その次は鞄と変えてみても、反応しない彼。

今日は思いきって、ハンドクリームにしてやった。
"今日は俺のつけてないの?"って言わせたくて。

香る指先で彼の鼻をつつく。
その手をとって、私を見つめる彼。

気づいた?
言う?…言わない?

「桃ちゃんは自分からシたがらないね。俺の友だちの彼女は、誘ってくるんだって」

はあ?
だって、あんた超ヘタなんやもん。

「行こ?」

…そうやね。
あんたはデート=ラブホやもんね。

それでついて行ってしまう私。
今日は、今日こそは、愛してくれるよね?って期待して。

冷めたエッチは、初めから早く終わってほしくて。
私をイかせないまま、彼は私の腹上にぶちまける。
それをティッシュで自ら拭うのが、唯一のイイトコロ?

ベッドに裸のまま2人で寝転んで、彼が私に目を細める。

「桃ちゃん、可愛い」

その一言で、私の不満はどうでもよくなって。
彼への想いが込み上げる。
私ったら吉坂に負けないくらい単純。

「嬉しいっ」と彼に抱きついて、暫く過ごした。
その暫くは幸せだった。

彼が口を開く。

「桃たん、俺、おにゃかすいちゃったよぅ」

この一瞬でサッと血の気が引いた。

もっと良好な関係やったら、そんなことにはならない。
逆に、甘えられて嬉しく感じるはず。

なのに正直、私は寒気を感じた。

アカン。
もう無理かも。

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