テキストサイズ

僕ら× 2nd.

第5章 別格彼氏 --Thk

***

そして私は、音楽室。
怒り狂う私に、花野が紅茶をいれてくれる。
吉坂は頬杖ついて彼女を見てる。

「自分からフッたくせに!なのにまだメールしてくんのよ?何なの?あの最低男は?」

そうなのだ。
まだ続いてる、メール。
昨夜もハートが踊ったやつが届いた。

「メールってどんな?」

「これよっ!」

ざっと、メールリストを見せる。
気になる箇所を読み上げる。

「『やっぱ俺は桃ちゃんが好きだな。なあ、俺との写真あったらほしいんだけど』ってあるでしょ?」

「え…と、写真って?」

「2人で旅行した時の。あんまり言うから、渡してやったわ。なのにクルマのウィンドウ、10センチも開けないの。警戒したいのはこっちだっつーの!」

夜の駐車場に呼び出したくせに、人を危険人物扱いしくさって!
あー、腹立つ!

「前も言ってたよね。メールと実際の態度が全然違うって」

「そうなのよ。別れたいのに好きでいてほしいってこと?意味不明!」

荒れる私に、ようやく意識を向けだした吉坂が言う。

「メール、本当にその男からか?」

え?何を言うのよ?

「えっ?だって、これでやり取りしていたのよ?」

「誰かがなりすましてんじゃね?」

「なりすまし?ヤツのメアドなのよ?」

「見せて?」

「嫌よ!」

ラブラブこっぱずかしいメールなんて、見せられますかっての!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ