テキストサイズ

僕ら× 2nd.

第1章 みをつくし --Shu,Tk,R

…その手触りは、少し筋肉質。
そっか、身体鍛え始めたんだね。

いいことだよ。
そのうち、くしゃみしただけで骨が折れちゃうんじゃないかって心配してたんだ。

彼女の背中にキスをして語りかける。

「俺はキミだけ…。花…イェ、ホワィエ、ウォー シャン ニー(フラウリィ、好きだよ)」

「ぅう…ふぁ…んんっ」

ん、俺の名前…。
彼女が呼んでる。
繋がりながら、切なく、甘く…。

「っくっ!」

俺は勢いよく腰を打ち付けて、古くから繰り返されるその儀式を終えた。

目を開けた俺は、座り込む女の口からギャグボールを外してやる。
と、女は自分を指差して「イエホォワ(野花:売女)?」と少し笑う。

「一緒にすんなよ…。って、ここに来た俺が言うのもな」

脇にある、指紋だらけの大きな鏡を見る。

「そうだ。この夏に兄貴が結婚するよね。式場で会えるのを楽しみにしてるよ」

大して乱れていない服を整える。

「シィエンシァン、シェンムァ?(なあに?)」

「あ、いや。こっちのこと。じゃ、ありがとね…っと言うほどでもないのかな」

誤解を招かないように、その言葉を俺は飲み込んだ。
すると、女はニコッと笑ってこう言った。

「ありがと。シエシエ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ