僕ら× 2nd.
第7章 花婿の弟 --Hzm,Ar,R
***
アルから説明を受けた俺は、この場で殴り飛ばしたくなって。
ヤツのネクタイを引っぱり上げて睨み付ける。
「お前が花野の彼氏ぃ?それは、お前の夢物語だろ?」
「夢物語って、…狂いもなく現実だよ。ほら、この指輪、花野とおそろ!」
指輪のおそろと言われても、シンプルリングがペアかどうかなんてパッと見てわかるかよ?
するとヤツは指輪を外して、内側を見せつけた。
そこに刻まれたのは数字と文字。
"だいすき 花野"
「……お前が勝手に掘ったんだろ?」
「ひどっ!ま、そのうちわかるって」と言いながら、指輪をはめ直した。
「でも兄ぃって、帆澄ハンとかハン帆澄とか何とかって名前じゃなかった?」
「…俺、宮石帆澄っての。ハンは帆の音読み」
アルから手を離して、仕方なく教える。
「ややこしっ!」
何が"ややこし"だっ。
失礼な。
「じゃあホントに俺の花野は、兄貴の妹?」
「そうだ。"俺の"ってわざわざつけるな」
俺がサワーフェイスで唸ると、アルが叫ぶ。
「げえっ!」
"げえっ"はこっちだ!
何だその、変な時間差は?
「花野の言う、お兄ちゃんって兄ぃのことか。ってことは、和波さんも兄ぃの兄貴?」
「そうだな、兄貴からは聞いてたよ。花野に彼氏ができたって。けど、お前って何て名前だっけ?」
"アル"だよな?
それが仮名なのかアルファベットRなのかは知らないけど。
まさか、アンドロイドでもあるまいし。
アルから説明を受けた俺は、この場で殴り飛ばしたくなって。
ヤツのネクタイを引っぱり上げて睨み付ける。
「お前が花野の彼氏ぃ?それは、お前の夢物語だろ?」
「夢物語って、…狂いもなく現実だよ。ほら、この指輪、花野とおそろ!」
指輪のおそろと言われても、シンプルリングがペアかどうかなんてパッと見てわかるかよ?
するとヤツは指輪を外して、内側を見せつけた。
そこに刻まれたのは数字と文字。
"だいすき 花野"
「……お前が勝手に掘ったんだろ?」
「ひどっ!ま、そのうちわかるって」と言いながら、指輪をはめ直した。
「でも兄ぃって、帆澄ハンとかハン帆澄とか何とかって名前じゃなかった?」
「…俺、宮石帆澄っての。ハンは帆の音読み」
アルから手を離して、仕方なく教える。
「ややこしっ!」
何が"ややこし"だっ。
失礼な。
「じゃあホントに俺の花野は、兄貴の妹?」
「そうだ。"俺の"ってわざわざつけるな」
俺がサワーフェイスで唸ると、アルが叫ぶ。
「げえっ!」
"げえっ"はこっちだ!
何だその、変な時間差は?
「花野の言う、お兄ちゃんって兄ぃのことか。ってことは、和波さんも兄ぃの兄貴?」
「そうだな、兄貴からは聞いてたよ。花野に彼氏ができたって。けど、お前って何て名前だっけ?」
"アル"だよな?
それが仮名なのかアルファベットRなのかは知らないけど。
まさか、アンドロイドでもあるまいし。