僕ら× 2nd.
第7章 花婿の弟 --Hzm,Ar,R
***
「でさ、兄ぃ。花野の門限、何とかならねぇ?」
式前の会場に並ぶなり、アルは俺の背中をつついて交渉を開始してくる。
「アル、ちょっと来いよ」
まだ始まるには時間あり、アルを脇に連れていく。
「あのな、俺の前ならいざしらず。近くにはお堅い家令らがいるんだ。"花野"なんて呼び捨てにすんな。"花野さん"だ。それにその言葉遣い!ここは、面接会場だと思って丁寧に話せ。いいな?間違っても柊とクソボケとか言い合うなよ?」
生意気にも言い返してくるかと思いきや、アルはあっさりと頷いた。
「そうだな。俺、和波さんの弟分としてここに出席してるんだもんな。お上品、わかったよ。お兄様」
「…お前、兄貴のことは"和波さん"って呼んでるんだな?じゃあ俺は"帆澄さん"だろ?柊にも言っとけ」
「げぇっ」
その驚き方が下品だってんだ。
すっごく嫌そうな顔しやがって、この傾奇坊主は……。
「でさ、兄ぃ。花野の門限、何とかならねぇ?」
式前の会場に並ぶなり、アルは俺の背中をつついて交渉を開始してくる。
「アル、ちょっと来いよ」
まだ始まるには時間あり、アルを脇に連れていく。
「あのな、俺の前ならいざしらず。近くにはお堅い家令らがいるんだ。"花野"なんて呼び捨てにすんな。"花野さん"だ。それにその言葉遣い!ここは、面接会場だと思って丁寧に話せ。いいな?間違っても柊とクソボケとか言い合うなよ?」
生意気にも言い返してくるかと思いきや、アルはあっさりと頷いた。
「そうだな。俺、和波さんの弟分としてここに出席してるんだもんな。お上品、わかったよ。お兄様」
「…お前、兄貴のことは"和波さん"って呼んでるんだな?じゃあ俺は"帆澄さん"だろ?柊にも言っとけ」
「げぇっ」
その驚き方が下品だってんだ。
すっごく嫌そうな顔しやがって、この傾奇坊主は……。