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僕ら× 2nd.

第7章 花婿の弟 --Hzm,Ar,R

***

白峯さんの言葉を螺旋状に吹き飛ばそうとしていた俺の肩を、帆澄兄がポンと叩く。

「父親なら誰だって言う台詞だよ。そのうち認めてくれるさ」

「あ、ああ…」

兄ぃは、「気にするな」と手をひらっとあげて俺を離れた。

…俺が技術職ってのが気に入らねぇのかな?
本業は親父とブレーン連中に任せて、青年実業家になっちゃおっかな?俺…。
それか、"ハイパーマルチITエンジニア"とか?
うっわー、俺が名乗ると怪しー。

それから10分以上は経ったのに頭ガンガンな俺。
柊は俺には構わず、さっきから喉を潤してる。
そしてボソッと言う。

「小柴とリースが来てる」

え?
いや、もう俺はそれどころじゃねぇんだぞ?

「…敢えて聞いてやるけど、どこに?」

柊が視線で教える先に、紳士に成りすましたヤツらがいた。
参列者のふりして調査?誰の?
ま、どーでもいいよ、そんなことは。

暫くすると、兄ぃが花野を連れて戻ってきた。
今度は手を繋いで…。

「兄ぃ。俺の花野に触りすぎ」

俺が苦言を呈すると、涼しげにヤツは返す。

「へぇ?俺を敵にしたいわけだ?」

「いや、えっと…帆澄兄さん。花野さんには、お手を触れられらっしゃいませんように」

「何語だ、それは」

俺だってわかんねぇよ。
何も知らない彼女は、「ふふ」っと笑った。

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