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僕ら× 2nd.

第7章 花婿の弟 --Hzm,Ar,R

「親父から依頼が来た。土地と人と資金を与えられている。お前が責任者。期限は特にないけど、ま、12~3年てとこかな?資料、そこ」

12~3年?…どういう計算だ?
彼が指した茶封筒を開く。
広大な土地と人員のリスト。

「小柴さんが監督じゃないの?」

親父に任されたってなら、小柴さんの手腕を期待してのことだろう?
なのに、彼は突き放す。

「俺は他にやることがある。頼む」

「ふうん?まあ、わかったよ。だけど、相談したらアドバイスしてよね?」

「お前ならできるさ。お前と彼女と未来のために」

「俺と彼女と未来?」

俺の想定する彼女が誰かってことくらい知ってるくせに、彼は俺にまだ未来を描かせるの?
そこに光は射し込むの?

用事があると言う小柴さんと別れ、家に着いた俺。
スーツのまま自室ベッドに身体を投げ出して、棚に潜むリスのぬいぐるみを眺めた。

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