僕ら× 2nd.
第7章 花婿の弟 --Hzm,Ar,R
***
大学の夏休みは長いけど、企業訪問や教授の補佐で俺は早くに帰る。
リスをそっと鞄にしまいこんで。
「今年の秋は俺も帰るからね。水くさいんだから!」
俺が1人で国を行ったり来たりをすることに、孝明は苦情を申し立てた。
だって去年はお前、フェスタで浮かれてたし。
この夏休みは、特別授業を受けてたろ?
「あ、うん」
俺は、ポツリと言う。
「でも俺、年度内はこっちにいようと思う」
「え?そうなの?やっぱ、あのコ、彼女なんだ?
だから、帰らないんだ?」
あのコとは、ヨゥのこと。
何度か電話での会話を聞かれてたから、怪しむのもわかるけど。
「お前、ヨゥを連れて帰ってくれ。千春さんが世話してくれるから」
今回の帰省で準備は、まずできたから。
「え?2人でクリスマスを過ごすんじゃないの?」
「そんなバカな。あいつは向こうの大学を受けるんだよ」
「リィ兄はどうして帰らないの?」
「帰ったら俺は…犯罪を犯すかもしれないから」
「へ?」
「拉致、監禁、暴行、脅迫、傷害」
俺の言を冗談ととらえた孝明は、「この国でそんなことしたら、弁明もできずに即死刑だからね」と俺を見て笑った。
確かにそれは冗談だけど、俺の中にある可能性。
チャンスがあれば、俺は実行するかもしれない…。
大学の夏休みは長いけど、企業訪問や教授の補佐で俺は早くに帰る。
リスをそっと鞄にしまいこんで。
「今年の秋は俺も帰るからね。水くさいんだから!」
俺が1人で国を行ったり来たりをすることに、孝明は苦情を申し立てた。
だって去年はお前、フェスタで浮かれてたし。
この夏休みは、特別授業を受けてたろ?
「あ、うん」
俺は、ポツリと言う。
「でも俺、年度内はこっちにいようと思う」
「え?そうなの?やっぱ、あのコ、彼女なんだ?
だから、帰らないんだ?」
あのコとは、ヨゥのこと。
何度か電話での会話を聞かれてたから、怪しむのもわかるけど。
「お前、ヨゥを連れて帰ってくれ。千春さんが世話してくれるから」
今回の帰省で準備は、まずできたから。
「え?2人でクリスマスを過ごすんじゃないの?」
「そんなバカな。あいつは向こうの大学を受けるんだよ」
「リィ兄はどうして帰らないの?」
「帰ったら俺は…犯罪を犯すかもしれないから」
「へ?」
「拉致、監禁、暴行、脅迫、傷害」
俺の言を冗談ととらえた孝明は、「この国でそんなことしたら、弁明もできずに即死刑だからね」と俺を見て笑った。
確かにそれは冗談だけど、俺の中にある可能性。
チャンスがあれば、俺は実行するかもしれない…。