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僕ら× 2nd.

第8章 小柴の予感 --Ar,Shu,Kn

~本條柊side~

俺たちが小柴の前に腰を降ろすと、ヤツは話しだす。

「その前に、柊。同窓のあのコとつき合ってるのか?」

「え?いや、今は友だち」

それに、以前と雰囲気が変わった気がして、根っから誘いに乗り切れない。
前は純粋に強引で色っぽかったのに、なーんか怯えてるんだよな。

やっぱり俺に殺されるとか思ってるのかな?
それとも。

「ふん?あのコの父親の会社の大得意先がネーゼの一員だ」

そっか、それでか。
じゃあ、ほぼ向こうのスパイだな。

「…わかった。気をつけるよ」

怪しまれることをする気もないけど、それはそれでどうなんだろ。

”証拠を見つけてこい”ときつく言われたりしてないといいけどな。

二重スパイなんて器用なことはできないだろうし。
俺に、その逆手をとれるほどの技量もないし。

泳がしとくのが最適か。

それにしても、小柴の情報収集能力、侮れねぇな。
そんなこいつが伊織の現在を知らないわけ、ねぇな。

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