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僕ら× 2nd.

第8章 小柴の予感 --Ar,Shu,Kn

寝耳に水の上に、父親まで出てきて、俺は次の台詞を見いだせず成り行きに佇む。

「本條が命名するなら、春夏秋冬が入らねぇの?」とアルが聞くけど。

…ま、それは、本人も読みだけだし。
あの男がそこにこだわるのも理解できねぇし。
本條の子じゃなくて俺の子なんだから。
と思っていたら、小柴は根幹から覆す。

「俺は、あの姉妹が本條の娘かどうか知らない。姉妹の母親はそう言ってたらしいけど、本條は認めていない」

「ええー?本條で四季なのに?」と驚くアルに、小柴は「本條姓で四季なだけ」とあしらった。

疑いもしなかったけど、そうかもしれないな。
自分を汚さずに娘2人を売る母親の言なんて、信用性は地の底。

そしてヤツは、「それは深く考えなくても、どっちでもいい」と首を軽く傾ける。

いや、俺に姉がいるかどうかって、わりと大切なんだけど?
俺的には…。
と思いつつ、黙っておいた。

小柴は続ける。

「本條が悪友と賭けをしてて。どっちが先に女を孕ませられるか。それで当たったのが、本條。というか、お前のだったんだな」

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