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僕ら× 2nd.

第8章 小柴の予感 --Ar,Shu,Kn

でもこれで、あの火事の全貌が見えたよ。
力一杯脱力するよ…。

1人分空けて隣に座り込む俺に、小柴は言う。

「伏せておいても良かったんだが…。本條が白状するのを待つのも気の長い話だし。俺にもあんまり時間がなくて、お前らに直接言うなら今日かと。いきなりで悪かったな」

はあ。
それにしても言い方ってもんがあるだろ?
俺、マジで焦ったんだから。

って食って掛かってやりたい気持ちを抑えた。

このまま自分の子どもだと知らされないってのも、気持ち悪いのは確かだし。

「お気遣い痛み入りますね」

皮肉を込めて俺が言うと、小柴は室内を見回しながら尋ねてきた。

「ただ、もし卵子提供者が彩華さんなら、それは何を意味すると思う?」

アルはその場に座り込んで下から小柴の表情を覗き、俺は組んだその膝に肘を置いて小柴を睨む。
この男、何を根拠にそんなことを言いだすんだ?

「質の悪ぃ悪ふざけにしか思えねぇよ。動けねぇ彩華さんの身体に負担を強いたってなら…。どうなんだ?それは限りなく憶測か?」

すると小柴は、表情を変えずに更に質問した。

「俺の勘。なあ、お前ら。自分の父親のこと、好きか?」

い?
その幼稚にもとれる質問の意図は何?

まず、俺をチラっと見たアルが素直に答える。

「わかんねぇ。あの親父のどこを好きになったらいいのか、わかんねぇよ。だけど、改めてそう聞かれると、しんみりしてしまうじゃねぇか。何を考えてそんなこと俺らに聞くんだよ?」

「俺の中での可能性として。あの2人はあれでいて、お前たちのことを大切に考えている?そんな節がある」

全くもって思いもよらない小柴の奇抜な可能性に、俺は無言で首を横に振った。

だって、小柴が今ここで喋った内容だけでも充分おかしくね?
大切な息子に内緒で精子利用?
そんな親、いるのかよ?

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