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僕ら× 2nd.

第9章 城 --Khs,Kn,R

「あ、あのっ…」

とっさのことで、私は慌ててしまうけど。
世尾さんは目を細めて終始笑顔。

「温めてあげる」

「っ……」

私の両手をその手に包んだ彼は、ほうっと息を吐いて温かい空気を送る。

そして、手をつかんで自分の両頬に当てた。

「うっわー。冷たくて、気持ちいい!」

「えええ?いいんですか?」

「うん。冷やっとして、柔らかくて気持ちがいいよ」

私はしばらく彼のなすがままに両手をすりあわせられたり、顔に当てられたりして。
何だか手じゃなくて、頬が熱くなるのを感じた。

彼の吐息が私のてのひらに放たれ、時折唇が触れる…。

男の人にこんなことされて私はドキドキしてしまうのだけれど、彼にとっては普通のようで。

そうよね、私はまだまだ子ども。
社会人の世尾さんにとっては、まだまだ子どもね。

いつか私も世尾さんを、ドキッとさせられるような、そんな女性になれるかな?

やだ、何考えてるの?私。

私には、侑生君がいるってのに。

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