テキストサイズ

僕ら× 2nd.

第9章 城 --Khs,Kn,R

同行の2人が見えなくなると、寒そうなキミのてのひらに何度もキスをして。
照れるキミをそっと見ながら、俺は部屋に引きこんだ。

俺に膝掛けを譲ったキミは、ウトウトとソファに崩れ。
寝たふりだった俺は、身体を起こしてキミを見据える。

計画は突発的で偶発的。
だけど、こうして俺の手中に眠るキミ。

ふっくらとしたその頬に、自分の顔を近づける。
触れるまであとわずかというところでキミを見つめる。

「好きだよ」

そっと囁いて、乾いた唇で頬に触れた。

「う…ん…」

モゾっと身体を動かして、声を漏らすキミは起きることなく。
俺の視線にも気づかずに眠りこけている。
昨夜はあまり眠れなかったか?

安らかに上下するキミの胸。

見とれていると、更に奥底から沸きあがってくる感情。

ここでキミを抱くことができるなら、連れ去ることができるなら。
俺に付随する信頼関係など、放りだしてでも手に入れたくなる。
そんな願いは限りなく、神聖であり邪悪。

それだけキミは魅力的で、俺のすべて……。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ