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僕ら× 2nd.

第9章 城 --Khs,Kn,R

***

「花野ちゃん。花野ちゃん?」

眠りに誘ったのは俺だけど、そろそろ起きなきゃ、俺の自制がもたないよ?

「え…。あっ、私っ。きゃー、今何時ですか?」

慌てるキミは時計を探す。

「12時過ぎ。ごめん、俺も眠っちゃってた」

「よかったぁ。夜かと思っちゃった」

ホントはキミの寝顔を眺めてた。
キミが再び眠ってからも、何度もその唇に引き寄せられそうになったんだよ?

「ん、大丈夫。だけど、さっきからバイブ音が聞こえてるよ?」と、彼女のリュックを指差す。

「あ、ありがとうございます。…あ、」

確認したキミは、やや止まる。

「ん?彼氏?」

「そうです。お昼ごはん食べた?って…」

アル兄ったら、そっちの国はまだ夜明け前。

「これからだね。ここでよければ、チーズフォンデュなんてできるよ?手伝って?森さんたちは外で食べてから来るって」

「了解です!」

彼女にエプロンを渡す。
ああ懐かしいね、この感じ。

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