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僕ら× 2nd.

第9章 城 --Khs,Kn,R

~依田晄志side~

その夜、物音で目を覚ます。
誰か今、ドアをノックした?

寝ぼけながら常夜灯のついた出入口に視線を移す。

また、ドンドンドンドンと。
遠慮なくたたく音がした。

「はい」と、祐一朗が起き出してそちらへと向かう。
となると、ガーガーといびきをかいているのは河邑。

「望月だ。早く開けろ」

何だ?人数確認か?
こんな夜中に…何かあったのか?

今、何時頃だ?
移動の飛行機やバス内で仮眠を取った俺たち。
特に俺は他の2人が寝入ってからもなかなか寝付けずに、やっと寝落ちたはずなのに。

ドアが開くと、すぐに室内の照明を点けて担任がずんずんと入ってきたので、俺も身を起こす。

「お前たち、体調は大丈夫か?目が痛いとかないか?手の感覚とかおかしくないか?」

目って、今まで暗がりで眠っていたのに突如明るくされて。
まさに暗順応からのグレア発生中で痛いんですけど…。
河邑も、その明るさに目を閉じぎみながらも動きだした。

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