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僕ら× 2nd.

第9章 城 --Khs,Kn,R

監視が緩まって、午後からは自由に買い物となり。
これなら朝から女子らと合同でもよかったんじゃないかって思うけど、そこは責任管理とかの大人な都合になるらしい。

そういえば、花野ちゃんたちも今頃、ここらへんを散策しているはずなんだけどな。
辺りを見回しても、こう人が多くては見つかるはずもない。
彼女、背も低いからな…。

紅茶専門店などに入っては、あ、これ好きそうとか思ったり。
店に並ぶ多種の彩り豊かなグミを見ては、どれが好みだろって味見したくなったり。

俺、まだまだ引きずってるよな。
ま、忘れようとしていないのも事実ではあるけれど、そんな自分の気持ち…。

飛行機内で小津が変なこと言うから、また意識しだしちゃったじゃないか。
と、責任転嫁していた。

そんな俺の横で、祐一朗が話す。

「これなんてどう?来年度からも使えて」

それは存在感のあるキレイな光沢のペンだった。
ふうん、いい感じ?と思ったけど、値札を見て目が丸くなる。

「げ。ボールペンでこんな高いの?」

「俺は買わないけどね」

「だったら勧めるなよ」

確かに書き心地はよさそうだけど値札のゼロが多すぎて、紛失した時には大ショックにみまわれそうだった。

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