僕ら× 2nd.
第9章 城 --Khs,Kn,R
「花野さんにとっては良いお兄さんなんだもんね。そんな気にしなくていいよ。晄ちゃんは、自分が買ってあげたかったのに、先越されたから拗ねたんだよ」
別に拗ねてなんか…と言いたかったけれど、その理由は図星だったから俺は口をつぐんだ。
「うん、ありがとう。侑生君には言わないでおく。晄志君と祐一朗君に、あの…ガイドさんからこれ、預かったの…」
彼女から差し出された小さな箱を手に取る。
この感じはまさか…。
「ボールペン…?」と祐一朗が言った。
「うん、俺もそう思った…」
それは先ほどガラスケースに入っているのを見た、超高級文房具だった。
もしかして、彼女が持つぬいぐるみよりも一層お高いんでは…?
俺は、先ほど感情に任せて彼女をなじるように言ってしまったことを悔やんだ。
「邪推してごめん。花野ちゃん」
彼氏不在中の束の間の浮気のように捉えてしまって、ごめん。
ていうか、これは嫉妬だ…。
自分でもはっきりとわかっていた。
「え?邪推って何?」
そう尋ねられると困るんだけど。
と思っていると、祐一朗がフォローを入れる。
「みんなでまわりたかったねって言いたいんだよ。晄ちゃんは扱いにくい思春期だから」
「って、それはお前も一緒だろ?俺のほうがお前より素直だよ!」
「アル兄に準ずる素直さをお持ちで」
「そんなわけないだろ?俺はアル兄の足元にも及ばないよ」
2人で掛け合いだした俺たちに弱った彼女は、「荷物、置いてくるね」と階段の方へ進んで行った。
別に拗ねてなんか…と言いたかったけれど、その理由は図星だったから俺は口をつぐんだ。
「うん、ありがとう。侑生君には言わないでおく。晄志君と祐一朗君に、あの…ガイドさんからこれ、預かったの…」
彼女から差し出された小さな箱を手に取る。
この感じはまさか…。
「ボールペン…?」と祐一朗が言った。
「うん、俺もそう思った…」
それは先ほどガラスケースに入っているのを見た、超高級文房具だった。
もしかして、彼女が持つぬいぐるみよりも一層お高いんでは…?
俺は、先ほど感情に任せて彼女をなじるように言ってしまったことを悔やんだ。
「邪推してごめん。花野ちゃん」
彼氏不在中の束の間の浮気のように捉えてしまって、ごめん。
ていうか、これは嫉妬だ…。
自分でもはっきりとわかっていた。
「え?邪推って何?」
そう尋ねられると困るんだけど。
と思っていると、祐一朗がフォローを入れる。
「みんなでまわりたかったねって言いたいんだよ。晄ちゃんは扱いにくい思春期だから」
「って、それはお前も一緒だろ?俺のほうがお前より素直だよ!」
「アル兄に準ずる素直さをお持ちで」
「そんなわけないだろ?俺はアル兄の足元にも及ばないよ」
2人で掛け合いだした俺たちに弱った彼女は、「荷物、置いてくるね」と階段の方へ進んで行った。