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僕ら× 2nd.

第10章 …---… --Shu,Ar

アルの居室、ドアに耳をくっつけて親父は言う。

「何だ、静かだな。2人で風呂にでも入ってるのか?」

あのアルが初対面女と仲良く風呂?ないだろ。
そう思ったけど、親父は俺たちに尋ねるでもないようで、遠慮なしに鍵をあける。

「入るんですか?」

物音がしないことに安堵したものの、ベッドでふたり寝てるのもあまり見たくねぇ。
えと、15分だっけ…なら、まだ?だけど、動きがないようだし…?

渋る俺たちとは真逆の親父が、ドアを開いた。
仕方なしに、一緒に中の様子を窺う。

何かがぶら下がってるベッドの上、ぼんやりと見える影がひとつ…女だけかな?

「おい、柊!明かりつけろ」

室内に入った親父は、急に緊迫した声で叫んだ。

照明スイッチを押すと、全貌がさらされる。
それは、元々異様なアル部屋が、益々の異常事態で。

「はい。…うっわ!」「いいっ?」と、俺と大輔はそれぞれ顔を歪める。

「あーあ。最高の女、つけてやったのに」

いやいやいやいや。
そんなこと言ってる場合かよ?
これだからこの家の連中は!

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