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ベッドに横になった柊に降参の俺は、説明を始める。

集中したいのに、これ以上時間を取られても困る。
なら、復習がてら話してやる。

「学校駐車場で待ち合わせって言ってたろ？だから、アルロボを行かせてさ。花野が乗ったところで、それらしい雰囲気を作って、音声チャンネルを切り替えて、実際にはしていない別れ話を親父に聞かせる」

俺の渾身のシナリオ、それはこんな内容。

ーー学校で解散した彼女は、マコちゃんたちに手を振って歩いてくる。

彼女がアルロボ車に近づいて、開いた後部座席に乗り込みながら話しだす。

「侑生君！ただいま帰りました！ありがとう、迎えに来てくれて…侑生君？」

俺を覗こうとする彼女に背を向けたままで、少な目に口を動かす。

「お帰り、花野。そのまま、座ったまま。黙って聞いてほしい。大事な話を、するから」

「え？…」戸惑いながらもコクっと彼女は頷いた。

そう、いいコだ…。

確認した俺は、神経を集中させてチャンネルを切り替える。