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僕ら× 2nd.

第10章 …---… --Shu,Ar

「アル。俺は花野ちゃんとの会話がお前の予定通り進むとは思えねぇし、ロボだと気づかれると思う。そして、運転を任せるのも危険すぎる。
迎えのクルマには、お前が出ろ。そして、アルロボを花野ちゃんに引き取ってもらえ。あいつ、ボールだか鞄だかに変形できるんだろ?」

それなら、旅行荷物の中に紛れて不自然なく持ち帰ってもらえるだろ?
ちょっと重そうだけど。

「アルロボを花野に渡す?何で?」

ここは、身軽なアル犬を託すこともよぎったんだけど、”侑生君、お手!お座り!”なんて犬扱いはされたくないだろうし。

「お前が花野ちゃんを迎えに行って、予定通り別れるだろ?して、花野ちゃんはアルロボと一緒に自宅に帰る。
お前はアルロボを通して花野ちゃんと喋ればいい。花野ちゃんの部屋で」

「え?そんなの、俺の隣に花野がいねぇじゃねぇか」

「そこは我慢が必要だな。アル、親父らを甘くみるんじゃねぇ。こっそりだろうが、会えばそのうちバレる。
もう、調査の言い訳は通らない。だったらここは、ある程度正直に花野ちゃんに事情を話した方がいい」

方向を示した俺は黙るアルの前で、只今の言を掘り下げて続けた。

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