僕ら× 2nd.
第10章 …---… --Shu,Ar
アルが手を離すと、親父さんは乱れた服を整える。
その人を食ったような穏やかさが、アルをイラつかせるとわかっているだろうに。
大輔が2人を引き離そうと身体を入れる中、アルは語気を荒げる。
「早く答えろよ。花野は無事か?」
「そんなこと知らねぇよ。俺は今、ここにいるんだから」
「そんなトンチは聞いてねぇ!お前の知る事実を吐けってんだ!」
大輔に押されながらも返答次第ではと、怒鳴るようにつっかかるアルに、親父さんは至って冷静。
「院内で騒ぐな」
…さっさとはアルの要求に答える気はないらしい。
それならとにかく俺が、この場をおさめなきゃなと、口を開く。
「アル。今現在、花野ちゃんは自宅に向かってる。同行クラスメイトからの情報だ。到着したら連絡があるだろう」
「え?予定より早く着いたのか…」と、難しい顔のままでアルは時計を見た。
実際には、体調不良で空港から直帰だけど、それはあとで説明するとして。
「柊が把握してるなら…」
臨戦態勢を解いたアルは、大輔に促されて椅子に腰を落とす。
それから、親父の視線に注意しながら自分のスマホを操作した。
まずは、彼女の位置情報…そして開いたのは、ラインか?
その人を食ったような穏やかさが、アルをイラつかせるとわかっているだろうに。
大輔が2人を引き離そうと身体を入れる中、アルは語気を荒げる。
「早く答えろよ。花野は無事か?」
「そんなこと知らねぇよ。俺は今、ここにいるんだから」
「そんなトンチは聞いてねぇ!お前の知る事実を吐けってんだ!」
大輔に押されながらも返答次第ではと、怒鳴るようにつっかかるアルに、親父さんは至って冷静。
「院内で騒ぐな」
…さっさとはアルの要求に答える気はないらしい。
それならとにかく俺が、この場をおさめなきゃなと、口を開く。
「アル。今現在、花野ちゃんは自宅に向かってる。同行クラスメイトからの情報だ。到着したら連絡があるだろう」
「え?予定より早く着いたのか…」と、難しい顔のままでアルは時計を見た。
実際には、体調不良で空港から直帰だけど、それはあとで説明するとして。
「柊が把握してるなら…」
臨戦態勢を解いたアルは、大輔に促されて椅子に腰を落とす。
それから、親父の視線に注意しながら自分のスマホを操作した。
まずは、彼女の位置情報…そして開いたのは、ラインか?