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僕ら× 2nd.

第10章 …---… --Shu,Ar

親父さんの行動力を侮っていたか…。
ここまで周到に畳み掛けてくるとは思わなかった。

なら、花野ちゃんの体調不良って写真を見たせいじゃね?
移動中の味方がイチだけだったのがまずかったな…。
親父サイドが彼女に接触したことも知られてないようだし。

てことは、彼女に近づいたのは空港の女子トイレ?

こんなことなら、姉貴たちに頼んでおくんだった…。
彼女を見送ったあの日、ヤツらに呼びつけられたその直後に……。
いや、俺の受傷後でも間に合ったかもしれないのに……っ。

今更悔やんでも仕方ないけれど。

だけどまだ、彼女に会って説明すれば元サヤでは?

と考えたけど、すぐに改める。
…なわけない。

そんなことをしてみれば、親父さんたちが次の手を打ってくる。
これよりも最悪になるのなら、今は何もしない方が、いい。

宮石家への陽動作戦っていうよりも、真剣な絶縁工作みたいだし。

……今、花野ちゃんは生きてる。
離されたなら、折を見て取り戻すまで。

若さと可能性では俺たちの方が上、情報力だって捨てたもんじゃねぇ。
イチやリースと力を合わせれば、まだ光は見えるだろう。

身体を起こし、無言でスマホをいじりだしたアルに声をかける。
親父さんが言った台詞のうち、この一点だけは間違ってるって確信と、これからの希望。
少しでもアルの心を軽くしたくて。

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