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僕ら× 2nd.

第11章 フェイス --Mkt,R,Kn

「道が混んでるみたいで、もうしばらくかかるらしいの。みんな、親に到着時間がずれこむって連絡してね?」

とか言いながら「あら?宮石さん。大丈夫?」って尋ねてきた。

「大丈夫です」

内輪話を中断した花野は、わりとしっかりと答えたように思えたんだけど、教師は彼女の手をとって。

「こっちにいらっしゃい。ちょっと疲れてるようよ?診療所のベッドで休ませてもらいましょ?」

「いえ。疲れてるのはみんな同じですし…」

ガヤガヤしていてわかりにくいけど、そういえば声がかすれてるかな。

「何、言ってるの。あなたは体力、人一倍ないんだから。中学の根岸先生も心配してたのよ。私、よろしくって頼まれてるから、バスが来るまで休んでちょうだい?」

「はい。…わかりました。だけど、あの…」と、居松を切なく見つめる花野。

さっきの女子、花野がアル先パイ宛に途中まで打ち込んでた熱いラインを、誤操作か故意かで居松に送っちゃったのかな?
それで、オオゴトにしたくなくて、居松を中心に私たちだけに伝えようとしたのかも?
このコが考えそうなことって、そんな感じだと思うのよね。

「さ。早く行くわよ?ベッドがふさがるかもしれないじゃない」

何か言いたげな花野だけど、それに構わず教師は彼女の手を引いた。

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