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僕ら× 2nd.

第2章 それぞれの秘密 --Ar,Hzm,Khs

「ごめんな。怖かったろ?」

彼女の耳元でヒソッと話す。

「…うん。だけど何かおかしくて」

口から手を外した彼女は、白い歯を僅かに見せる。

「え?」

「侑生君、すごく苦しそうに言うから…。それに、言葉遣いが雑に丁寧っ!」

そう言った彼女はクスクスと。

「わ、笑ってたのか?」

震えてたのは、笑いを堪えるため?
んだよ?

俺が蒔いた種ではあるけど、教師の機嫌をとって花野を守らなきゃって、変な汗が吹き出てたんだぞ?
あそこでドアこじ開けられたりしたら、花野が恥ずかしいだろ?
俺と別れたいとか思うかもしんねぇだろ?

「ん。困った表情とか、なかなか見ないから。ごめんね?」

そう言って、彼女は胸元を直しだす。

「なんだよ、余裕じゃねぇか」

マジに俺、ピーの時を思い浮かべて、必死だったのに。

機嫌を損ねなくてよかったと安心した俺が拗ね気味に言うと、彼女は俺の身体に手を回してくる。

「ううん、バレちゃったらどうしようって怖かったから、抱き締めてくれて嬉しかった。ありがとう、大好き」

やっぱりすっげ可愛い!俺の花野ちゃん!

教師の乱入で、もう今日はこれで終わりだなと思っていた俺だけど、彼女に密着されてすぐに再開したくなる。

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