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僕ら× 2nd.

第11章 フェイス --Mkt,R,Kn

花野と居松が教師に引率されていなくなって、私はヨーダに質問する。

「ねぇ。居松って何なの?」

「何っていうかさ。…なぁ、花野ちゃんってそんなしんどそうだった?」

居松の男心を聞きたかったのに、ヨーダは話を逸らした。

「わからなかった。てか、さっきの女子にスマホ触られてからキョドってたけど…あのジェスチャーはひどいよね」

伝えたい内容はきっと、アル先パイと居松に関連したことで、花野が言いよどむこと。

あ!
あのコが送信したラインを花野本人からだと思った居松が即、ラブな返しをしちゃったとか!?

きゃー!

…まあ、誤解なんてすぐ解けるでしょう。
アル先パイが今更、居松に遠慮するわけないし。
花野だって、浮気なんてしないだろうし。
居松…かわいそうに…。

私がドキワクしているのに、ヨーダは真面目にこう言った。

「取り乱すから、まだ俺からはアル兄に教えない方がいいよな…」

ああ、花野のお疲れモードのことね。
そんなこと伝えたら。

「先パイなら、高速すっ飛ばして乗り込んできそうだもんね。私も、そんなに愛されてみたいなぁ…」

そして、私たちは他の話題に移っていく。
そのうちに送迎バスが着いたと報告がきた。

「一応連絡」と、ヨーダが居松にコールする。

一応って、気になってるんでしょ?
花野と居松のことがって、私は心で思った。

「先生が花野さんを自宅まで送ってくれるようだから、俺もそっちで帰るよ」

そんな台詞がヨーダのスマホから聞こえてきて。

あいつ、ちゃっかりしてるよね。
とか思いながら、バスに乗り込んだ。

何が起こったかは、あとで花野から聞き出そうっと。

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