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僕ら× 2nd.

第11章 フェイス --Mkt,R,Kn

確認する前に手遅れにならないよう、まずは避難!

俺は声を誰かに拾われないよう、移動しながら彼に伝える。

「孝明。夏に俺と行った村、覚えてるか?
荷造りなんかせず、身分証もスマホも破棄。最小限でそこに潜り込め。だいたいの生活品は備えてある。まずは3か月、俺か小柴さんから連絡がなければ、全て忘れて村人として生きろ」

隠れれば、やましいことがあったんだろと余計勘ぐられるかもしれないけど。

「え?大学は?」

「大学なんて、この際どうでもいい。いいか?全神経集中して聞くんだ。

もし俺じゃない人間に尋ねられたら、リースがやったからわからない。
今もなぜここに住めと言われたのかわからない。
何もかも一切、自分は任せてもらってないからって、俺は大学に通いたいだけなのにって本当のことだけを話すんだ」

あとは、柊兄に説明して合わせてもらうか。
親父さんじゃなく、傍受線は兄貴たちと繋がっていたと。
うまくいけばすぐにでも大学に通えるようになる。

間に合うかな…?
柊兄…親父さんたちに好意的ではないけど、俺たちを守る義理もない…。

だけど、ここは連絡してみようと、この電話を終えようとした俺に孝明が教えてくれた。

「わかった。リィ兄、必ず連絡してきてね?切る前に、もうひとつ連絡事項。柊兄が入院してるらしい」

「えっ?何でっ?」

ああもう意識、飛ばしたい…。

それでも対策を練りながら待機場に戻ると、彼女と祐一朗がいなくなっていて。
パウダールームかと足を向けていたところ、祐一朗から診療所にいると連絡がきた。

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