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僕ら× 2nd.

第11章 フェイス --Mkt,R,Kn

「治せないんでしょうか?」

「医者にはかかってるよ。けど、精神的なことって気が遠のくくらい時間がかかるからね。

こんなこと、あまり公にもしたくないから、キミも口外しないでくれな?」

「それはもちろん…」

私が彼を追い詰めたの?
そんな言えない気持ちを抱えて侑生君は、ずっと苦しんできたの?

「侑生と付き合ってくれて…ああ、キミは伊織とも交流があったんだね。うちの兄弟と仲良くしてくれてありがとうな。
もう息子には近づかないように。これはキミのためでもあるんだから…」

「あの、では。電話ならいいでしょうか?」

「ごめんね。キミの声に昂って、近くにいる誰かに危害が及ぶかもしれないから」

「そうなんですか…。
あのっ、侑生君は、自分のことは傷つけていませんか?」

「自傷ってこと?それは今のところないな」

「それは、よかったです。。」

「じゃ、侑生が心配だから失礼するね」

私は何を言ったらいいのかわからずに、ただ頭を下げた。。

…そして今、私の元に指輪はない。
ねぇ、侑生君。

本当にこれでおしまいなの?

自転して公転して、同じ顔を見せる月。
たくさんの石が衝突しても、それでも月は倒れない。。

だから侑生君。
きっとまた会えるよね……。

きっと克服して、会いに来てくれるって。
信じているからね……。

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