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僕ら× 2nd.

第12章 IF --Khs,Ar,Shu,R

そうだ!
柊は?柊はどこに?

いないのか?柊?
ふたりを助けなきゃ。

まずは通報して、とにかく病院に移動しなきゃ。

柊?

こんな時に限って居ないのかよ?
いつも鬱陶しいほど傍にいるじゃねぇかよ?

柊、俺を助けてくれよ。

柊ーーーっっっ!!!!!!



「おい、情けねぇ声だすなよ」

その声に振り向くと、バサッと俺に倒れかかってくる柊。

その背もズタズタで、ヌルっとした液体がへばりつく。
俺は無傷なのに、こんな…。

俺の盾になったっていうのか?
そんな、やめてくれよ。
生命を賭して俺なんかを守ってんじゃねぇよ!

俺だけ置いてくなよ!

柊っ、伊織っ、花野っ!

みんな、逝くなーっ!

花野ーーっ!!
目を開けてくれっ!

ああーーーっっっ!!!!!!


そのうちにシトシトと雨が降る。
無数のその粒は、視界から彩度を奪っていく。

モノクロームの、完全な闇に消える。


俺は、ひとり…

………

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