僕ら× 2nd.
第2章 それぞれの秘密 --Ar,Hzm,Khs
~宮石帆澄(ホズミ)side~
部屋の窓に張りついて。
通気孔から漏れる僅かな音に耳をそばだてて…。
「っはぁ……んっ、ん…」
悩ましげなその声に、俺の身は震える。
明かりのついていないカーテンの向こうは、まったくもって見えないけれど。
「っあぁン…、侑生、君…侑生っ」
くっと、拳を握る。
今、窓を叩けば、中断させることは可能だろう。
だけどそんなことしたら、俺は…。
男とのリアルなシーンを見せつけられてしまう。
以降、笑顔も見ることができず避けられてしまう……。
遡ること5分程前。
新人歓迎会を終えてほろ酔いで帰宅し、夜風に当たろうと窓を開けた俺は、隣のバルコニーにひらっと揺れる白っぽい影を認めて喉を鳴らす。
新月の夜をいいことに、柵から柵へと乗り移り、手を伸ばした。
外からの死角に干された洗濯物。
もうそこには、キャラクターやらフルーツやらの子どもっぽい装飾はない。
大人の女性と同じ、小さなリボンとレースのついた。
上下おそろの下着。
これを身につけた姿を、彼氏に見せているんだなぁって。
ニヤニヤした彼氏が、これを脱がせてるんだろうなぁって。
そんなの確認をしても、侘しいだけなのに。
俺は何をしてるんだろ…。
そう思いながら、ずり落ちそうなその一枚をかけ直そうとした。
でも、その声はとても微かながら聞こえてきて。
もしかしたら幻聴なのかもしれない。
だけど、確かに熱っぽく呼ばれる男の名前。
あいつが男を誘い込むようになったなんて。
と、部屋の奥からカタンという音がした。
まさか、バルコニーに出てくる?
気が動転した俺は、もと来た柵へ返した。
部屋の窓に張りついて。
通気孔から漏れる僅かな音に耳をそばだてて…。
「っはぁ……んっ、ん…」
悩ましげなその声に、俺の身は震える。
明かりのついていないカーテンの向こうは、まったくもって見えないけれど。
「っあぁン…、侑生、君…侑生っ」
くっと、拳を握る。
今、窓を叩けば、中断させることは可能だろう。
だけどそんなことしたら、俺は…。
男とのリアルなシーンを見せつけられてしまう。
以降、笑顔も見ることができず避けられてしまう……。
遡ること5分程前。
新人歓迎会を終えてほろ酔いで帰宅し、夜風に当たろうと窓を開けた俺は、隣のバルコニーにひらっと揺れる白っぽい影を認めて喉を鳴らす。
新月の夜をいいことに、柵から柵へと乗り移り、手を伸ばした。
外からの死角に干された洗濯物。
もうそこには、キャラクターやらフルーツやらの子どもっぽい装飾はない。
大人の女性と同じ、小さなリボンとレースのついた。
上下おそろの下着。
これを身につけた姿を、彼氏に見せているんだなぁって。
ニヤニヤした彼氏が、これを脱がせてるんだろうなぁって。
そんなの確認をしても、侘しいだけなのに。
俺は何をしてるんだろ…。
そう思いながら、ずり落ちそうなその一枚をかけ直そうとした。
でも、その声はとても微かながら聞こえてきて。
もしかしたら幻聴なのかもしれない。
だけど、確かに熱っぽく呼ばれる男の名前。
あいつが男を誘い込むようになったなんて。
と、部屋の奥からカタンという音がした。
まさか、バルコニーに出てくる?
気が動転した俺は、もと来た柵へ返した。