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僕ら× 2nd.

第12章 IF --Khs,Ar,Shu,R

「内情を知っているのに、不注意で情報を漏らす恐れのある危険人物として、消される、でしょう。ただ私も、ブレーンの端くれ。その時は、精一杯の抵抗をさせていただきます。
もしも、の事態になりましたらどうか、柊兄、アル兄は全力で生き延びてください」

精一杯の抵抗?

その"もしも"、見てみたいと、俺の中の好奇心がうずきだす。

だけど、行動で示してもらう必要はない。
いつか、こっそり明かしてもらおう…と考えて。
「孝明を頼みます」と、頭を下げ、部屋から出ていこうとしたリースの肩をつかんだ。

「お前を疑ってもキリねぇ。口裏、合わせてやるよ」

***

そう約束したものの、何日経っても何週間経っても、親父と本條がつかまらない。

仕方なく俺から本條に、『リースと孝明の帰国伺い』をたてると、既読のまま返事なし。

それを伝えると、褐色策士の口元はほころんだ。

不思議に思って尋ねると、「"帰国禁止"なら、散るまで。一方、"帰国許可"なんてわざわざおりたら、"俺たちの監視下で沙汰を待て"という意味だから余計に怖いです」と。

リースたちの盗聴を盗聴と見なしてないのなら、面倒な弁解に行く必要もない。

守りの策は成功したということか。

というわけで日中、孝明は大学、リースは小柴から受けた仕事があると言って、ふらふらとどこかへ。

…長くなったけど、こういう経緯だった。

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