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僕ら× 2nd.

第12章 IF --Khs,Ar,Shu,R

回想の終わった俺の目の前では、孝明が最後のパンひとかけを口に押し込み。
アルはようやく椅子に座って、のび過ぎた蕎麦を笑顔で食べ始めた。

そんな時点で、俺のスマホが揺れる。
この揺れかたは…。

「アル、行くぞ」と、俺は立ち上がる。

「えっ?俺、昼食中…」

「移動しながら食べろ」

"蕎麦をかよ?"とでも言いたそうに睨むアルを睨み返す。

なかなか食べなかったのはお前だろっ。

「仕方ねぇな。20秒やるよ」

時間切れで、俺はアルと立ち去る。

…帆澄兄がこちらに向かってる。

俺たちの大学での行動をそれとなく見張っているのは、きっと食堂で調理補助をしている女性。

今日はその確認のために、ここでランチをとったけど。
まあ、彼女は素人、俺たちが食事してると兄貴に気軽に知らせただけだろうから、そっとしておこう。

兄貴はこちらを恨んでいるのか、心配しているのか。
そのところ、どうなのかは気になるけど。。

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